特別養護老人ホームと他の福祉施設の違いとは?費用の違い、入所制限など様々な違いを解説!

特別養護老人ホームと他の福祉施設の違いとは?費用の違い、入所制限など様々な違いを解説!

特別養護老人ホームは、介護を必要とするご老人が入居する施設です。公的機関が運営している施設ということで介護保険の適用を受けられますが、「特別」の名の通り、一定の入所制限があったり、ほかの有料老人ホームなどとの違いも大きい施設となっています。
今回は、特別養護老人ホームと他の施設との違いを解説して行きます。

「特別養護老人ホーム」とは?

日本は現在、超高齢化社会と言われるほど深刻な高齢化に悩まされています。そうした世の中だからこそ、要介護の対象となる人は純粋に増え続けて行きますし、こうした施設については、高齢になった親族を抱える現役世代にとっても、早いうちからしっかり考えなければならない問題となっています。

「特別養護老人ホーム」とは、簡単に説明すれば、生活全般において介護が必要となった老齢世代(65歳以上)の人が、入所することによって生活全般のサポートを受けながら暮らしていける施設です。

しかし別名を「特養」と言い、「特別」の文字が含まれていることからも分かる通り、一般的な定義としての「老人ホーム」とは一緒くたにできないほどの様々な特徴を持っています。

特別養護老人ホームの2つの特徴とは?

まず、公的機関が運営している福祉施設であるという点において、非常に特徴的です。公的機関とは、例えば地方自治体であったり、社会福祉法人だったりしますが、こうした機関が運営しているので国や都道府県のバックアップを受けています。

別名を「介護老人福祉施設」といい、老人福祉法の第11条に定める市町村による「入所措置」の対象施設となっています。また、運営に関しては都道府県が定める「特別養護老人ホームの設備及び運営に関する基準」に従ってサービスが提供されています。

また、第2の特徴として、法に定められた介護保険の適用を受けることも特徴的で、いわゆる「介護保険施設」の一種でもあります。利用料を支払う際に介護保険が適用されるので、自己負担が大きく軽減されます。

「特別養護老人ホーム」と「介護老人保健施設」の違い

中でも「特別養護老人ホーム」と「介護老人保健施設(老健)」は、福祉の文脈においてよく混同される傾向にあります。

この2つの施設は共通点も多くあり、まずは「介護保険が適用される施設であること」、「日常生活にかかる様々なサポートが受けられること」、「入居一時金が不要」などです。

他の施設との違いを見て行くにあたっては、まず名前が非常に似通ったこの2つの施設の違いからまず見て行くのがわかりやすいです。

特養は「終身まで」、介護老人保健施設は「一時的」

最大の違いは、そのサービスの目的と、利用期間です。特養の目的が「日常的な介護を含めた生活の世話」にあるのに対して、老健の目的は「利用者の自立支援や自宅への復帰」にあります。

そうした目的の違いに合わせて、利用期間についても、特養では長期的な利用を想定しているのに対して、老健では3ヶ月から1年ほどの短期的な利用を想定しています。特養では「終身までの利用」を希望する利用者も多く、入居希望者も多いため、場合によっては数ヶ月待たないといけない場合もあります。

入所要件が大きく異なり、特養は「要介護3〜5」に限られる

もう1つの大きな違いは、その入所要件です。特養は、原則的に「要介護3〜5に認定された人のみ」であるのに対し、老健は要介護1〜5の全ての対象者が入居可能です。

特養は「介護職員が多い」、介護老人保健施設は「医師など医療従事者が多い」

職員の配置についても、その目的に応じて大きく異なっています。特養では、基本的には長期的な生活の支援を目的としている以上、勤務が多いのは日常的な生活の補助を行う介護職員です。施設の運営にあたって医師の設置は必須ではあるものの、医師の勤務は一時的です。

それに対して老健は、最終目的が自立支援や自宅復帰を目指すというものであるため、主に看護・医療の分野でのリハビリテーションや治療がサービスの中心にあります。なので、医者は常駐していますし、治療や療養に関してのサービスが充実しています。

「特別養護老人ホーム」と「有料老人ホーム」の違い

先ほど説明した通り、特養は公的機関が運営する施設です。一方で有料老人ホームは、その多くが民間での運営となっています。この2つの施設の違いの多くは、そうした運営母体の違いから性格的に生まれるものです。以下に詳しく見て行きましょう。

特養は「要介護3以上」に対し有料老人ホームは「ほぼ誰でも入居OK」

特養は、先ほどの章でも説明したように、「要介護3〜5のみ」という制限があり、1〜2でも入所が可能な場合もありますが、非常に厳しい要件を満たさないといけません。

それに対して有料老人ホームは1〜5までOKで、施設によっては要介護の要件すらなく、いわゆる「自立」でも入れる施設も存在します。

特養は「介護中心」に対し有料老人ホームは「多種多様なサービスを提供」

特養は、その入所要件が深刻な要介護レベルを持っている人に限られていることからも分かる通り、日常生活をまともに送れない人々のために生活全般を支援するサポートが中心となっているのに対して、有料老人ホームでは多種多様なサービスを提供しています。

例えば自分の身の回りのことが一通りできる人に向けては、「健康型有料老人ホーム」など、「自立」 向けの専門施設も用意されています。

特養は「入居一時金の負担なしで費用が安い」、有料老人ホームは「お金がかかる」

特養の場合、公的機関が運営しているということもあり助成金を受けることも可能な状態なので、入所の際の一時金は不要で、月額費用も非常に安いことが特徴的です。また、低所得者にも入所ができるように、主に住民税非課税世帯などを対象に、所得に応じて自己負担額を軽減する制度も用意されています。

それに対して有料老人ホームは、入所の際に一時金を負担するケースが少なくなく、月額費用も特養に比べれば高くなっています。現在では特養と同じように一時金を取らないところも増えていると言いますが、月額費用はやはり高くなります。

また、利用料金が全国的に統一されている特養に対し、施設ごとに費用体系が大きく異なるというのも有料老人ホームの特徴です。

まとめ

以上、特別養護老人ホームとその他の施設の違いについて、特徴的な例をいくつか挙げて一通り説明してきました。費用の安さが特徴で、入所可能要件に制限がある割に入所待ちが長くなりがちな特養に対し、他の施設は特養より入所要件は緩く、費用が高いながらも比較的入所しやすいという特徴にはっきり分かれました。

条件や提供サービスの違いはあれど、要介護3以上で長期の利用を想定しているなら、長期利用を前提とし費用が安い特養一択でしょう。西多摩郡瑞穂町にある「良友園」は、自然環境豊かな立地と素晴らしい眺望が特徴で、室内からもその景観が楽しめます。

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